何となく「成長したい」では目標を見失う
自分は起業したと同時にメンターが社長を務める中小ベンチャー企業(ほとんどスタートアップと変わらない程)
のスタッフとしても働いた。イチから仕事を覚えるためだ。
当時の自分は、少人数の会社であれば、あらゆる業務を経験でき、スピーディーに成長できるのではないかと考えていた。
しかし結論はNoである。
もちろん、一概にNoとは言い切れないし、成長できる人はどんな環境でも成長できる。
一方で、中小ベンチャー・スタートアップ企業に入ったからといって誰もが自分が思った様に成長できるとは限らない。
まず何をもって成長とするかを予め自分の中で決めておかないと、迷路をさまようことになる。
・営業で契約を取れるようになるのか
・スキルや資格を手にするのか
・事務作業を手際良くできるようにするのか
など成長の尺度は人によって違う。
また、自分の中で成長するイメージが無ければ、
「何となく成長している感」
「仕事やってる感」
で終わってしまうことがほとんどだ。
その場その場での場当たり的なノリで終わってしまう。
当初自分がイメージしていた成長とは程遠いものになる。
会社で求められるものは「成長」ではなく「成果」
厳しい話かもしれないが、
会社が求めているのは個人の成長ではなく、売上・利益などの「成果」だ。当然と言えば当然だ。
自分の場合でも、学生上がりと言えども成果は求められる。
会社側からすると正直言って、イチ個人の成長などと悠長なことを言ってられないというのが本音であろう。
もちろん中には人の成長が会社の役割であり理念であるという企業もある。
ただそういった会社は稀だ。ほとんどの会社は目の前のお金、明日を生きるお金を追い求めている。
スタートアップで働けばあらゆる仕事をさせてもらえるというメリットはあるかもしれない。
ただ、そのメリットを感じることができるのは、ある程度社会人経験を経てからだと思う。
経験を積めば仕事の基本も身に付く。どのような業務でも基本のやり方は大体似通ってくる。
すごいことをやろうとしない
仕事に関わらず、何事も基本が積み重なって成長していくのだと思う。
では成長に欠かせない「基本」とは何かを考えると、
「小さな約束を守る」
だろう。
若いうちは成長と聞けば
「よりスケールの大きなものに挑戦する」というイメージがあるが、
実際は
「より細かなことに気がつく」
「気配りできる」
ことが成長したと感じる。
自分が圧倒的に足りなかった意識は、
「納期・締め切りを守る」
「小さな約束を守る」
だった。
これはどんな仕事でも必須条件だ。
信用を築くための基本中の基本だ。
その大切さを実感するには、
上司に叱られ、お客さんに叱られ徐々にその大切さを実感していく。時間がかかる。
特にこういった些細で小さな約束が信用につながり、大きな契約に結びつくことは珍しくない。
実際、大きな契約や売上を得るには、
その手前に小さな信用の積み重ねがいくつもある。一発逆転は基本的に無いと思った方が良い。
特に社会人経験が無いうちは、この重要さを身に染みて実感することはなかなかできないと思っている。
最近、副業がにぎわっており、中でもクラウドソーシングがトレンドのひとつだ。
しかし、取引を行う者の中には
納期が守れない、
納期が遅れる連絡も無い、
小さな約束が守れない人が非常に多いのではないかと感じている。
中には学生フリーランスとして仕事をしている人もいるのだろう。
これは自分の偏見であり主観だが、今まで出会ってきた年齢の若い20代前半の社長やフリーランスは大きなお金・欲が原動力で動いている人も何人かいた。
大きなお金を追い求めている人は、小さな約束や細かい確認事項は苦手だ。
言い方が悪いが仕事が「雑」だ。
大きなことに挑戦しようとしているのだから、足元の小さなことには目は行きにくくなる。
当然と言えば当然だ。
また、「そんなチマチマやってらんねぇよ」
と思う人も多いかもしれない。起業したての頃は、こう思って自然では無いかと思う。
かく言う自分も何を隠そう、全くその通りのことを考えていた。
その結果、起業したが売上ゼロに終わった。
小さな約束を守ることが大きな成果につながると思うのは決して言い過ぎではないだろう。
成長するための取り組み
では成長を実感するにはどうすれば良いか。
「小さな成功体験を記録する」ことだ。
また、可能であればこれらを数字にすると良い。
・新規顧客へのDM1日5件
・既存顧客へのフォロー1日1件
・問合せが来てから24時間以内に返答した数
色んな項目があげられると思う。
特に記録の良いところは、「事実を可視化」できることだ。
根拠ある自信に繋がる。
根拠のない自信を持てないタイプの人には大きな力になる。
また、100%自分でコントロールできることに限る。
「1件注文を受注する」より
「1件フォローの電話をする」方が取り組みやすいだろう。
地味な取り組みだが、後々ジワジワ感じてくるだろう。
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