デキる人は聞き上手?
できるビジネスマンは話し上手より聞き上手と聞いたことはないだろうか。
営業職をしていた時分、会話は「聞くが8割 話すが2割」と上司から聞いたことがある。
「営業の基本は御用聞き」と言われるほど、話を聞くことは非常に重要なスキルだ。
だが、この「話を聞く」ということを自分は大きく勘違いしていた。
結論から言うと、話の内容を理解することが何より大事だが、話の聞き方・テクニックを重要視してしまっていた。
少し話は遡る。
当時大学生だった自分は経済学部に所属していた。他方で心理学にも興味がありいくつかの講義を受講していた。
ある講義のテーマで、相手が心地よく話せるための技法を学んだ。そのひとつに「オウム返し」というテクニックがあった。簡単に言うと、相手の話に相槌を打ち、相手が話した内容をそっくりそのまま言い返すといった内容だ。講義内では2人1組になって実際にオウム返しを実践してみた。何とも心地よく会話ができた気がした。
「これはすごい、実際に今後も使っていこう」とさえ思った。
不信感を生む話の聞き方
しかし、これが大きな勘違いだった。
確かに話を聞くという「さわり」のテクニック すこしとしては良いきっかけになるかもしれない。相手は「この人は聞いてくれているのだ」と実感することもある。
ただし、これは本当に気を付けなければいけない。
なぜなら相手が思っているより、自分は相手の話を理解できていないからだ
自分は相手の話を理解できていないのに、相手は「自分の話を理解してくれている」と感じる。
これは本当にまずい。話の内容が同じでも違う角度で自分に話をふられた場合ボロが出る。ボロが出ると「なんだよ、結局自分の話理解してくれてないじゃないか」と不信感につながる。
信用を得るのは難しいが、不信感はいとも簡単に持たれてしまう。
何より問題なのが、「オウム返し」は数をこなせばこなすほど、相手の話を聞いてなくても聞いているフリができるようになる。
違うことを考えていても無意識で「そうですね、はい、わかります」と言えてしまえる。
会話の相手が、その場限り一度限りの関係であればまだ良い。
ただそんな場面などそうそうあるものではない。
人が「自分のことを理解してほしい」と思って話す内容というのは、それなりに真剣な内容であろう。またそんな話をしてくれる間柄ということは、その場限り一度限りのような薄っぺらい人間関係ではないだろう。
だから、ただ単に「うん、うん、そうだね」と言って適当に流すことは、納期の約束を破るほど致命的なミスことだと実感している。実際に話を聞いていない場合があり、不信感を生むからだ。
わからないことは話を中断してでも相手に聞いた方が良い
ここで注意しておいてほしい。
まず相手の話を1度で100%理解するのはまぁ不可能だ。1度聞いたとて50%理解していれば御の字だろう。
また、1度聞いただけで理解できる人間などほぼ皆無だろう
話を聞く超人だ。
話の内容が理解できなければ、相手の話を止めてでも、不明な点は明確にしておいた方が良い。それに関しては相手は嫌な気持ちにならないだろう。むしろ「この人は真剣に話を聞いてくれている」と信用してもらえる可能性が高い。
次回につづく
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